2010年9月6日月曜日

湊かなえ著 告白

5月頃に読み始めて今に至りました
もう4ヶ月……はやいものです
その間に映画公開されたり(映画のCMをみて購入を決めました)
読み終わる前に映画を見に行ったりで、ネタを知りながら読み進めました
それでも面白いと感じさせるのは、文章とその構成が素晴らしかったからに違いありません

あらずじ抜粋

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。


物語事態は、特に終わり方に関しては、私は好きではありません
その物語を映画にて知り、嫌いな結末だと知りつつも読み続けたわけは、文章とその構成のおかげです。

この小説、物語は全て一人称で語られています
全6章で5人の語り手がおり、物語は読者に語られているようにつづられています。
簡単に言えば、一つの章の始まりと終わりをカギ括弧「」でくくっても違和感がないように書かれているのです。
そして漏れなく全員が話し上手。
これで読みにくいわけがない。

さらに、この書き方のもう一つの魅力は他人の主観が一切入る余地がないことです。
何せ、章一つが一人のみで語られているためその人の主観による予測と事実しか書かれていません。
そのため、感情移入しやすくなっているのだと私は思います
他人の意見を排除し、語り手の感情を肯定的に語り続けているのですから。
それゆえに、この小説の物語が引き立っているのだと思います。

総じて、面白い作品だったと思います
映画も、小説の良いところを残していたと思います(台詞が非常に多いところとか)。
映画を見てからは森口先生の声はずっと松たか子の声で再生されたぐらいに印象に残ってます。


ほかの作品も読んでみたいんですが、終わり方が後味いいといいなぁ

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